建国記念の日に、「おはなしの会」を開催いたします。参加費無料です。申し込みも不要です、当日直接お越しください。
「建国」について考える機会となれば幸いです。
今回は、古文書のひもときに力を注いでくださった「天野忍先生」にお話をお願いし、激動の明治維新の時、日本の国を建て直そうという思いを胸に抱き「遠州報国隊」に参加した事任八幡宮のご先祖の話を含め
遠州報国隊、明治維新を中心にお話しいただき、いかに近代日本が誕生していったのかをお話しいただきます。
レジュメ
はじめに
本年は、明治維新から151年となる。
建国記念の日にあたり、事任八幡宮に伝わる諸資料を中心に、いかに明治国家が建設され、いかに近代日本が誕生していったのか、を考える機会としたい。
1 国学の隆盛と皇国思想の広がり
①国学の起こり
元禄ころ、僧契仲に始まる古典籍の研究
②朝廷の動き
尊王公家の活躍と処分、宝暦8年(1758)竹内式部追放・流刑、明和4年(1767)山形大弐死刑
③四大人の活躍
荷田春満、賀茂真淵、本居宣長、平田篤胤の4人
文政元年(1818)賀茂大人霊祭式斎行、天保5年(1834)縣居霊社修造など
④神主たちの学び
国学者の著書研究(国学書の書写、演説筆記、入門等)、文政11年(1828)秀茂、篤胤を江戸に訪問
⑤平田篤胤・鉄胤の学問
古典籍の研究から独自の世界観、次第に政治色を強め、明治維新の精神的支柱に
2 遠州報国隊と招魂社
①幕末の動乱
幕府の衰退、開国と交易、斉明天皇の攘夷論と攘夷実行、蛤御門の変、薩英戦争など
②平田鉄胤の門人たち
諸国に平田篤胤没後門人、磐田見付の大久保氏の活躍、慶応2年(1866)秀直、篤胤没後門人
③報国隊の結成
浜松と磐田を拠点、赤心隊の結成
④戊辰戦争への従軍
慶応4年(1868)鳥羽伏見の戦い、大総督宮護衛江戸進軍と警備、市川口の戦いなど
⑤暗殺事件と東京移住
東北の平定後帰国、駿河・遠江は徳川氏の封地に、赤心隊士の暗殺、移住論と反移住論
⑥招魂社の設立
戊辰戦争戦没者を祀る、現在の靖国神社に
3 近代国家の建設
①版籍奉還
明治2年(1869)全国の土地・人民を国家に移す
②廃藩置県
明治4年(1871)藩を廃して、天皇を頂点に仰ぐ中央集権国家の体制へ、寺社領没収と配当禄支給
③欧米視察
明治4年(1871)視察団を派遣して欧米の制度・技術・文化を導入、欧米に倣って
④学校制度
明治5年(1872)学制を頒布して学校を設立、教育の義務化
⑤国家の紀元
明治6年(1873)太陽暦、神武天皇即位日・天長節を祝日に制定、神武天皇即位日を紀元節に
昭和15年(1940)紀元2600年奉祝展開催
昭和42年(1967)2月11日、初の建国記念の日となる。明治維新100年にあたる
⑥地租改正の実施
明治6年(1873)地租改正条例を制定・交付、租税の義務化
⑦徴兵令施行
明治6年(1873)兵役の義務化
⑧国会と内閣制度の導入
明治14年(1881)の国会開設の詔、政党設立、憲法調査、
明治18年(1885)内閣制度の導入
明治22年(1889)大日本帝国憲法の制定
4 国家の宗祀と国民教化策
①慶応3年(1867)王政復古の大号令、翌年五か条の御誓文、神仏判然令
②大教宣布の運動
明治3年(1870)大教宣布の詔勅
大教院・中教院・小教院の設立、神・儒・仏3者の教導
③国家の宗祀
明治4年(1871)国家宗祀の布告
明治5年(1872)神祇官を廃して教部省設置、教導職による国民教化、三条の教則
官社(官国幣社)・諸社(府藩県社・郷社)など
浜松県社八幡神社の誕生
5 学校教育と神道
①教育勅語
明治23年(1890)「教育ニ関スル勅語」の発布
②第4回社頭学校の開催
大正10年(1921)日坂小学校・日坂少年団と八幡宮合同実施、敬神崇祖の念涵養と身体修養鍛錬、学科復習
③筆子塚の建設
大正10年(1921)「譽田健雄先生之碑」建設
おわりに
約150年の歴史のなかで、現代日本の基礎がいかに造られていったか、大まかな流れを御理解いただけたか、と考える。
先行き不安な情勢のなか、我々はいかに生きていくのか、今後の在り方を考える一助となれば、と願う。